お礼奉公の途中での退職―奨学金の返済はその1

お礼奉公の途中での退職―奨学金の返済はその1

悪名高い、お礼奉公のおさらいです

 

看護専門学校3年間の学費・生活費・寮費などの名目で
毎月10万円奨学金をもらうと、年間で120万円
3年間で360万円の給付を受けたことになります

 

それは奨学金という名の借金ですね
その多額の借金を
指定の病院に3年間勤務すれば、帳消し=チャラにしてあげる
というのがお礼奉公です
場合によっては3年間ではなく、5〜7年間としている意地の悪い
ところもあるようです。

 

ここでの問題点を二つあげておきます

 

一つは、3年間とか勤務する義務はありません

 

労働基準法では1年間を超える労働契約は無効ですし
職業選択の自由は憲法で保障されておりますので
いつ辞めても、ご自由です
(社会人としてのマナーは当然守らなければなりませんが
退職前1ヶ月に予告するとか、有給の消化は職場の事情を考えてとか
あくまで常識での判断ですので、法律はあなたを守ってくれることは
あっても、不利になることはないですよ)

 

二つめは 辞めるのは自由ですが、「借金」は残ります

 

そもそも、奨学金の返済と、将来の病院勤務の長期にわたる労働契約は
まったく別のものです
法的にいうと、かなり怪しいのです

 

セットにして考えると頭が痛くなりそうなので
奨学金は民法上の単なる借金
お礼奉公は労働法上の労働契約

 

と考えましょう
借金は返済しなければ、いつまでも借金です
労働契約はいつ辞めても自由です

 

おさらいはここまです
じゃ、奨学金の返済はどうなるのってことを話しますね

 

具体的にどうエスケープするのか、お急ぎの方はこちらのページを先に見たほうがいいです。
お礼奉公(奨学金)返済に悩む第二新卒看護師の悩み
 

奨学金の全額一括返済を求められるケース

 

お礼奉公3年間に満たないで
退職、転職した場合
これは結婚退職とか、第二新卒看護師として転職する場合とか
心身を病んで退職する場合とか

 

いろんなケースが考えられますが
病院側は決められたお礼奉公期間に1日でも満たなければ
全額一括での返済を求める

 

こういう契約書が交わされていると思います

 

悪魔の「全額一括返済」
こういう契約?をしているケースが
かなりあります
だって、病院側にとってとても有利なんですもの

 

あなたという人質を借金の担保にとって
逃げられなくしてあるのですから
これほど安全なことはありません

 

逆にいうと、あなたはお礼奉公の満期がくるまで
逃げられないということですね。

 

まるで江戸時代みたいな話なんです
足抜けするには多額の「三百万両」を
払えという証文があるぞ、ということです

 

もう少し良心的なケースもあります

 

病院に勤めた年数に応じて返済額を減らしてくれるケースです

 

3年間がお礼奉公の期間であるとすると

 

1年間に100万円づつ減らしてくれるということです
ということは2年間勤務しているなら、残債は100万円まで
減っているということです

 

もう少し良心的なケースだと
月割りで計算してくれます
3年間を36ヶ月として
1ヶ月ごとに36分の1づつ
借金を帳消しにしてくれるところもありますね。

 

こちらの記事を読んでいるあなたにご相談です
きっとあなたは、一日も早くお勤めの病院を
辞めたいと思っているはずです

 

人間関係最悪、サービス残業が月に80時間、有給もとれない
根性の悪い師長や主任、いじめをしてくる先輩看護師など
いろんな理由があると思いますが

 

このお礼奉公という奴隷契約から逃げるには
「世の中、銭や!」
「a society where money talks」(カネがものいう世界)
英語の表現でもまさにそのままマネーがトークしちゃうんですから
怖い世界です

 

具体的にどうエスケープするのかは
こちらの解決方法のヒントのページをご覧ください
お礼奉公(奨学金)返済に悩む第二新卒看護師の悩み